Exhibition

Navigation

Explore

Current

On View

Exhibition

Overview

展覧会紹介

「Rethink(リシンク)」は、舘鼻則孝が創作活動の概念として掲げる言葉です。歴史や文化を単に受け継ぐのではなく、現代の視点から捉え直すことで、新たな価値を生み出そうとする創造の姿勢を表しています。
本展では、その思想のもとに生み出された代表作《Heel-less Shoes》をはじめ、彫刻、絵画、版画など、15年にわたる創作活動を紹介します。

Overview

「Rethink(リシンク)」は、舘鼻則孝が創作活動の概念として掲げる言葉です。歴史や文化を単に受け継ぐのではなく、現代の視点から捉え直すことで、新たな価値を生み出そうとする創造の姿勢を表しています。
本展では、その思想のもとに生み出された代表作《Heel-less Shoes》をはじめ、彫刻、絵画、版画、インスタレーションなど、15年にわたる創作活動を紹介します。
本展のテーマは「手しごと」です。完成した作品だけでなく、その背景にある素材研究や試作、制作工程、さらには日本各地の伝統工芸の担い手との協働にも焦点を当てます。


作品がどのような思考と技術、そして数多くの手しごとの積み重ねによって形づくられてきたのかをたどることで、創作の本質に迫ります。
また、女子美アートミュージアムの染織コレクションと、それらから着想を得て制作された舘鼻による新作を併せて展示し、過去と現在、伝統と現代が響き合う新たな表現を紹介します。
「Rethink」とは、歴史や文化を見つめ直し、新たな価値を生み出すための創造の実践です。本展が、その視点を通して「手しごと」の本質を見つめ直し、未来へ向けた新たな創造の可能性について考える機会となれば幸いです。

Information

開催概要

展覧会名

舘鼻則孝 創作活動15周年記念
「リシンク –舘鼻則孝と手しごと– 展」

会期

2026年9月10日(木)〜10月6日(火)

会場

女子美アートミュージアム

所在地

神奈川県相模原市南区麻溝台1900

開館時間

10:00から17:00まで(入館は16:30まで)

休館日

日曜・祝日

入館料

無料

主催

女子美術大学
デザイン・工芸学科 工芸研究室
NORITAKA TATEHANA STUDIO

共催

女子美術大学染織文化資源研究所

協力

女子美術大学美術館 / 読売新聞社

協賛

artience株式会社 / Zutti Mattia

後援

相模原市 / 相模原市教育委員会

Overview

展覧会紹介

「Rethink(リシンク)」は、舘鼻則孝が創作活動の概念として掲げる言葉です。歴史や文化を単に受け継ぐのではなく、現代の視点から捉え直すことで、新たな価値を生み出そうとする創造の姿勢を表しています。
本展では、その思想のもとに生み出された代表作《Heel-less Shoes》をはじめ、彫刻、絵画、版画、インスタレーションなど、15年にわたる創作活動を紹介します。
本展のテーマは「手しごと」です。完成した作品だけでなく、その背景にある素材研究や試作、制作工程、さらには日本各地の伝統工芸の担い手との協働にも焦点を当てます。



作品がどのような思考と技術、そして数多くの手しごとの積み重ねによって形づくられてきたのかをたどることで、創作の本質に迫ります。
また、女子美アートミュージアムの染織コレクションと、それらから着想を得て制作された舘鼻による新作を併せて展示し、過去と現在、伝統と現代が響き合う新たな表現を紹介します。
「Rethink」とは、歴史や文化を見つめ直し、新たな価値を生み出すための創造の実践です。本展が、その視点を通して「手しごと」の本質を見つめ直し、未来へ向けた新たな創造の可能性について考える機会となれば幸いです。

Information

開催概要

展覧会名

舘鼻則孝 創作活動15周年記念
リシンク –舘鼻則孝と手しごと– 展

会期

2026年9月10日(木)〜10月6日(火)

会場

女子美アートミュージアム

所在地

神奈川県相模原市南区麻溝台1900

開館時間

10:00から17:00まで(入館は16:30まで)

休館日

日曜・祝日

入館料

無料

主催

女子美術大学 デザイン・工芸学科 工芸研究室
NORITAKA TATEHANA STUDIO

共催

女子美術大学染織文化資源研究所

協力

女子美術大学美術館 / 読売新聞社

協賛

artience株式会社 / Zutti Mattia

後援

相模原市 / 相模原市教育委員会

Works

Chapter 1

伝統を履き替える
Rewearing Tradition

Chapter 1

伝統を履き替える
Rewearing Tradition

舘鼻則孝の代表作《Heel-less Shoes》は、江戸時代の花魁が履いた高下駄から着想を得て生まれました。厚底の高下駄は、花魁道中における独特の歩き方とともに、その位を視覚的に示す象徴的な装いでもありました。舘鼻はその造形だけでなく、履物に込められたヒエラルキーや記号性に着目し、現代の履物へと読み替えています。
卒業制作の《Heel-less Shoes》には、日本で古くから刀剣の柄などを覆う素材として使われてきた「鮫皮」と呼ばれるエイの一種の革を採用しています。 また、《Heel-less Shoes》の原型ともいえるのが、大学時代に手がけた、高下駄をモチーフとする彫刻作品《Floating World》です。

本展では、現在ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に収蔵されている当時の作品をもとに、後年再制作した作品を展示します。友禅染によって天面に鴉を描いたこの作品には、染織を学ぶなかで培われた技術と、伝統を現代の表現へと置き換えようとする初期の試みを見ることができます。 受け継がれてきた文化や美意識を、その形だけではなく、背景にある意味とともに捉え直すこと。学生時代に始まったこの姿勢は、やがて舘鼻が創作活動の概念として掲げる「Rethink」へとつながっていきます。

舘鼻則孝の代表作《Heel-less Shoes》は、江戸時代の花魁が履いた高下駄から着想を得て生まれました。厚底の高下駄は、花魁道中における独特の歩き方とともに、その位を視覚的に示す象徴的な装いでもありました。舘鼻はその造形だけでなく、履物に込められたヒエラルキーや記号性に着目し、現代の履物へと読み替えています。卒業制作の《Heel-less Shoes》には、日本で古くから刀剣の柄などを覆う素材として使われてきた「鮫皮」と呼ばれるエイの一種の革を採用しています。 また、《Heel-less Shoes》の原型ともいえるのが、大学時代に手がけた、高下駄をモチーフとする彫刻作品《Floating World》です。本展では、現在ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に収蔵されている当時の作品をもとに、後年再制作した作品を展示します。友禅染によって天面に鴉を描いたこの作品には、染織を学ぶなかで培われた技術と、伝統を現代の表現へと置き換えようとする初期の試みを見ることができます。 受け継がれてきた文化や美意識を、その形だけではなく、背景にある意味とともに捉え直すこと。学生時代に始まったこの姿勢は、やがて舘鼻が創作活動の概念として掲げる「Rethink」へとつながっていきます。

Installation View: Chapter 1

伝統を履き替える / Rewearing Tradition

Heel-less Shoes (Graduation Project, Tokyo University of the Arts)

2010

エイ革、牛革、染料、豚スエード、木、ポリエステル樹脂、金属ファスナー

Heel-less Shoes “Lady Mary”

2021

牛革、染料、豚スエード、コーティングガラスクリスタル、金属ファスナー

Shoemaking Tools and Processes

19世紀後半–21世紀

鉄、木、革ほか

Chapter 2

文化を読み替える
Reinterpreting Culture

舘鼻則孝の作品には、日本に受け継がれてきた文化や物語を読み解き、その背景にある思想や価値観を現代の表現へと置き換える試みがあります。
《Woodcuts》は、日本の香文化における「源氏香」から着想を得た作品です。源氏香では、順に焚かれた香りの異同を判じ、その組み合わせを「源氏香の図」と呼ばれる幾何学的な図案によって表します。舘鼻は、目に見えない香りを図案として視覚化してきたこの文化に着目し、その造形を現代の作品へと読み替えています。
《Arrows》は、『古事記』『日本書紀』に登場する天若日子の「還矢」の物語を手がかりに、日本における死生観を表現した作品です。自ら放った矢によって命を落とすという物語を通して、「生と死」や、その「境界線」という主題が示されています。

 展示室の随所に現れる《Descending Painting》もまた、日本独自の死生観を背景に生まれた作品です。仏教において、臨終の際に阿弥陀如来と菩薩が雲に乗って迎えに現れる場面を描いた「来迎図」から着想を得ながら、舘鼻の作品ではその姿に代わって雷が描かれています。雷は、神道における依代に神のみたまが依り憑く場面を表すものでもあり、ひとつの作品のなかに仏教と神道、双方の価値観が共存する「神仏習合」の思想を見ることができます。 香りを記号へと変換する文化、古代から語り継がれる神話、そして仏教と神道が重なり合う死生観。舘鼻は、それらを表面的な意匠として引用するのではなく、その背景にある意味や思想を読み解き、現代における新たな表現へと読み替えています。

舘鼻則孝の作品には、日本に受け継がれてきた文化や物語を読み解き、その背景にある思想や価値観を現代の表現へと置き換える試みがあります。
《Woodcuts》は、日本の香文化における「源氏香」から着想を得た作品です。源氏香では、順に焚かれた香りの異同を判じ、その組み合わせを「源氏香の図」と呼ばれる幾何学的な図案によって表します。舘鼻は、目に見えない香りを図案として視覚化してきたこの文化に着目し、その造形を現代の作品へと読み替えています。
《Arrows》は、『古事記』『日本書紀』に登場する天若日子の「還矢」の物語を手がかりに、日本における死生観を表現した作品です。自ら放った矢によって命を落とすという物語を通して、「生と死」や、その「境界線」という主題が示されています。
 展示室の随所に現れる《Descending Painting》もまた、日本独自の死生観を背景に生まれた作品です。仏教において、臨終の際に阿弥陀如来と菩薩が雲に乗って迎えに現れる場面を描いた「来迎図」から着想を得ながら、舘鼻の作品ではその姿に代わって雷が描かれています。雷は、神道における依代に神のみたまが依り憑く場面を表すものでもあり、ひとつの作品のなかに仏教と神道、双方の価値観が共存する「神仏習合」の思想を見ることができます。
香りを記号へと変換する文化、古代から語り継がれる神話、そして仏教と神道が重なり合う死生観。舘鼻は、それらを表面的な意匠として引用するのではなく、その背景にある意味や思想を読み解き、現代における新たな表現へと読み替えています。

Installation View: Chapter 2

文化を読み替える / Reinterpreting Culture

Arrows

2019

木、ウレタン塗装、ステンレススチール

Woodcuts

2018

木にウレタン塗装(溜塗)

Chapter 3

手しごとを編み直す
Reweaving Craftsmanship

舘鼻則孝の創作には、伝統的な技術を受け継ぐ職人との協働によって生まれた作品があります。それぞれの技術や素材が持つ背景を尊重しながら、現代の作品制作のなかに新たな役割を見いだすことも、舘鼻の「Rethink」のひとつです。
《Heel-less Shoes》では、東京くみひも「龍工房」との協働により、正絹の組紐を作品の造形へと取り入れています。一本一本の糸を組み上げることで生まれる組紐は、結びや飾りとともに靴の表面を覆い、伝統的な手しごとを現代の彫刻表現へと展開しています。
令和版浮世絵《東海道五十七次》では、江戸木版画に受け継がれてきた「絵師・彫師・摺師」という分業による制作に、舘鼻が現代の絵師として参加しています。

舘鼻が描いた原画を職人が版木へ彫り、和紙へと摺り上げることで、江戸時代から続く制作の仕組みを受け継ぎながら、現代の風景を描く新たな木版画が生み出されています。
《雷鼓》は、江戸時代から続く宮本卯之助商店との協働によって制作された作品です。和太鼓づくりの技術を用いながら、その造形を舘鼻の作品に繰り返し登場する「雷」のモチーフと結びつけることで、楽器としての太鼓とは異なる彫刻作品へと展開しています。 組む、彫る、摺る、太鼓をつくる。長い時間をかけて受け継がれてきた職人の手しごとと、現代の作家による創造が交わることで、伝統はそのまま繰り返されるのではなく、新たな表現へと編み直されていきます。

舘鼻則孝の創作には、伝統的な技術を受け継ぐ職人との協働によって生まれた作品があります。それぞれの技術や素材が持つ背景を尊重しながら、現代の作品制作のなかに新たな役割を見いだすことも、舘鼻の「Rethink」のひとつです。
《Heel-less Shoes》では、東京くみひも「龍工房」との協働により、正絹の組紐を作品の造形へと取り入れています。一本一本の糸を組み上げることで生まれる組紐は、結びや飾りとともに靴の表面を覆い、伝統的な手しごとを現代の彫刻表現へと展開しています。
令和版浮世絵《東海道五十七次》では、江戸木版画に受け継がれてきた「絵師・彫師・摺師」という分業による制作に、舘鼻が現代の絵師として参加しています。
舘鼻が描いた原画を職人が版木へ彫り、和紙へと摺り上げることで、江戸時代から続く制作の仕組みを受け継ぎながら、現代の風景を描く新たな木版画が生み出されています。
《雷鼓》は、江戸時代から続く宮本卯之助商店との協働によって制作された作品です。和太鼓づくりの技術を用いながら、その造形を舘鼻の作品に繰り返し登場する「雷」のモチーフと結びつけることで、楽器としての太鼓とは異なる彫刻作品へと展開しています。 組む、彫る、摺る、太鼓をつくる。長い時間をかけて受け継がれてきた職人の手しごとと、現代の作家による創造が交わることで、伝統はそのまま繰り返されるのではなく、新たな表現へと編み直されていきます。

Installation View: Chapter 3

手しごとを編み直す / Reweaving Craftsmanship

Noritaka Tatehana × Ryukobo / Heel-less Shoes “Atom”

2023

牛革、染料、組紐(正絹)、石膏、ステンレススチール、アクリル板

Noritaka Tatehana × Miyamoto Unosuke Shoten / Raiko

2023 / 2024

カシュー塗料、木(栗)、太鼓革(牛革)、金属リベット、鉄、組紐(正絹)

Noritaka Tatehana × Hiromine Nakamura / Heel-less FLOW Shoes — UNRAI (Cloud & Thunder)

2026

陶土、顔料、金箔、アクリルミラー、MDF

Heel-less Shoes “Lady Pointe” (Dragon Scale)

2026

牛革、染料、組紐(正絹)

The fifty-seven stations of the Tokaido

2025

木版画

Chapter 4

未来をかたちづくる
Reshaping Technology

舘鼻則孝の創作では、伝統的な手しごとと同様に、新しい素材やデジタル技術も表現を生み出すための重要な手段となっています。技術そのものを目的とするのではなく、それによって何をかたちにすることができるのかを問いながら、制作の可能性を広げています。
2014年に制作された《Frozen Boots》は、透明なアクリルの内部に脚型の空洞をつくり出すことで、そこに存在しない靴の輪郭を浮かび上がらせた作品です。この「存在を空洞によって表象する」という発想は、のちに《Void Sculpture》へと発展します。
《Void Sculpture》では、対象そのものではなく、それが占めていた空間を立体として捉えることで、「存在」と「不在」の境界を彫刻として提示しています。

2015年には、ファッションデザイナーのIris van Herpenとの協働による《Heel-less Shoes “Hacking Infinity”》を発表しました。Iris van Herpenのスケッチをもとに舘鼻が立体構造を設計し、MOA Creationによる3Dモデリングと3Dプリンティングによって造形を実現。東京、アムステルダム、米国サウスカロライナという離れた場所でデータを共有しながら制作されたこの作品は、デジタル技術が距離を越えて創造を結びつける可能性を示しています。
《Traces of a Continuing History “The Laughing Man”》では、舘鼻自身の身体をCTスキャンによってデータ化し、その情報をもとに原型を制作しました。一方、最終的な作品には富山県高岡市に受け継がれてきた鋳物の技術が用いられています。

身体をデジタルデータとして捉える現代の技術と、職人の手によって受け継がれてきた伝統的な技術。その両者がひとつの作品のなかで交差しています。 新しい技術は、手しごとに取って代わるものではありません。過去から受け継がれてきた技術と、これからの時代をつくる技術を行き来しながら、それぞれの可能性を組み合わせること。その先に、これまでになかった新たな造形が生まれていきます。

舘鼻則孝の創作では、伝統的な手しごとと同様に、新しい素材やデジタル技術も表現を生み出すための重要な手段となっています。技術そのものを目的とするのではなく、それによって何をかたちにすることができるのかを問いながら、制作の可能性を広げています。
2014年に制作された《Frozen Boots》は、透明なアクリルの内部に脚型の空洞をつくり出すことで、そこに存在しない靴の輪郭を浮かび上がらせた作品です。この「存在を空洞によって表象する」という発想は、のちに《Void Sculpture》へと発展します。
《Void Sculpture》では、対象そのものではなく、それが占めていた空間を立体として捉えることで、「存在」と「不在」の境界を彫刻として提示しています。
2015年には、ファッションデザイナーのIris van Herpenとの協働による《Heel-less Shoes “Hacking Infinity”》を発表しました。Iris van Herpenのスケッチをもとに舘鼻が立体構造を設計し、MOA Creationによる3Dモデリングと3Dプリンティングによって造形を実現。東京、アムステルダム、米国サウスカロライナという離れた場所でデータを共有しながら制作されたこの作品は、デジタル技術が距離を越えて創造を結びつける可能性を示しています。
《Traces of a Continuing History “The Laughing Man”》では、舘鼻自身の身体をCTスキャンによってデータ化し、その情報をもとに原型を制作しました。一方、最終的な作品には富山県高岡市に受け継がれてきた鋳物の技術が用いられています。
身体をデジタルデータとして捉える現代の技術と、職人の手によって受け継がれてきた伝統的な技術。その両者がひとつの作品のなかで交差しています。 新しい技術は、手しごとに取って代わるものではありません。過去から受け継がれてきた技術と、これからの時代をつくる技術を行き来しながら、それぞれの可能性を組み合わせること。その先に、これまでになかった新たな造形が生まれていきます。

Installation View: Chapter 4

未来をかたちづくる / Reshaping Technology

Frozen Boots

2014

アクリル

Void Sculpture

2022

日本刀(河内國平)、アクリル

Heel-less Shoes “Hacking Infinity”

2026

光硬化性樹脂(3Dプリント)、牛革、金属ファスナー

Chapter 5

ともにつくる
Creating Together

舘鼻則孝の創作は、作品を介して出会ったさまざまな人々との関係によって広がってきました。作品を身につける人、収集する人、そして長年にわたり活動を支える人。それぞれとの対話や交流は、作品が新たな表現へと展開していく契機となっています。
活動初期、Lady Gagaのために約2年間にわたり制作された《Heel-less Shoes》は、その数約25足に及びました。作品は彼女の象徴的なスタイルの一部として世界へ発信され、《Heel-less Shoes》が国際的に知られる大きな契機となります。
その後も、Daphne Guinnessのように作品を収集するだけでなく、長年にわたり舘鼻の創作活動を支える理解者との関係が育まれてきました。

そして、Lady Gagaが《Heel-less Shoes》を履く姿に10代の頃から憧れていたZutti Mattiaは、時を経て作品のコレクターとなり、現在では新たな作品をともにつくり上げる存在となっています。 作品を通して人と出会い、その関係が次の創作へとつながっていく。舘鼻にとって作品は、人と人をつなぎ、新たな対話や創造を生み出すためのコミュニケーションでもあります。

舘鼻則孝の創作は、作品を介して出会ったさまざまな人々との関係によって広がってきました。作品を身につける人、収集する人、そして長年にわたり活動を支える人。それぞれとの対話や交流は、作品が新たな表現へと展開していく契機となっています。
活動初期、Lady Gagaのために約2年間にわたり制作された《Heel-less Shoes》は、その数約25足に及びました。作品は彼女の象徴的なスタイルの一部として世界へ発信され、《Heel-less Shoes》が国際的に知られる大きな契機となります。
その後も、Daphne Guinnessのように作品を収集するだけでなく、長年にわたり舘鼻の創作活動を支える理解者との関係が育まれてきました。
そして、Lady Gagaが《Heel-less Shoes》を履く姿に10代の頃から憧れていたZutti Mattiaは、時を経て作品のコレクターとなり、現在では新たな作品をともにつくり上げる存在となっています。 作品を通して人と出会い、その関係が次の創作へとつながっていく。舘鼻にとって作品は、人と人をつなぎ、新たな対話や創造を生み出すためのコミュニケーションでもあります。

Installation View: Chapter 5

ともにつくる / Creating Together

Lady Gaga

Daphne Guinness

Zutti Mattia

Chapter 6

歴史と対話する
Dialoguing with History

歴史を受け継ぐことは、過去の姿をそのまま再現することだけではありません。そこに残された技術や表現を読み取り、現代から応答することもまた、歴史との向き合い方のひとつです。
本章では、女子美術大学が受け継いできた染織コレクションと、それらに着想を得て舘鼻則孝が制作した新作を展示します。舘鼻は、所蔵作品の特徴でもある絞り染めと刺繍という技法に着目し、それぞれが生み出す色彩や質感、手しごとの痕跡を、自身の代表的な表現形式である《Heel-less Shoes》へと展開しています。

時代を超えて残された染織作品と、それに向き合う現代の作家。過去の技術や美意識を受け取り、自らの表現を通して応答することで、歴史との新たな対話が生まれていきます。

歴史を受け継ぐことは、過去の姿をそのまま再現することだけではありません。そこに残された技術や表現を読み取り、現代から応答することもまた、歴史との向き合い方のひとつです。
本章では、女子美術大学が受け継いできた染織コレクションと、それらに着想を得て舘鼻則孝が制作した新作を展示します。舘鼻は、所蔵作品の特徴でもある絞り染めと刺繍という技法に着目し、それぞれが生み出す色彩や質感、手しごとの痕跡を、自身の代表的な表現形式である《Heel-less Shoes》へと展開しています。
時代を超えて残された染織作品と、それに向き合う現代の作家。過去の技術や美意識を受け取り、自らの表現を通して応答することで、歴史との新たな対話が生まれていきます。

Installation View: Chapter 6

歴史と対話する / Dialoguing with History

Heel-less Shoes “Lady Mary”

2026

牛革、染料、ナイロン糸(刺繍)、金属ファスナー

Heel-less Shoes “Lady Romanesque”

2026

牛革、藍染料(絞り染め)、金属ファスナー

Final Chapter

色から始まる
It Begins with Color

舘鼻則孝の絵画制作は、色を選ぶことから始まります。NORITAKA TATEHANA STUDIOには3,000枚を超える「トーンカード」が常備され、作品ごとに色彩の組み合わせを検討するための道具として使われています。本展では、これまで公開されることのなかったトーンカードの一部を初めて展示します。 こうして選ばれた色は、作品のなかでさまざまな表情へと変化していきます。本章に展示する《Descending Painting (Folding Screen)》では、屏風という日本の伝統的な形式の上に、色彩と雷のモチーフが重なり合い、画面全体へと広がっています。

そして本展では、長年にわたり印刷インキを手がけてきたartience株式会社との協働による新作《Abstract Painting (Surplus)》を初公開します。制作に用いられるのは、役目を終えた廃インキです。異なる色や性質を持つインキが混ざり合い、流れ、偶然に生まれる表情を受け入れながら、新たな絵画表現へと展開しています。
一枚の色を選ぶことから、新たな表現が始まる。これまで培ってきた方法を礎としながら、未知の素材や技術と出会い、まだ見ぬ表現へと踏み出していく。

本展の最後にある「色」は、舘鼻のこれまでの創作を振り返ると同時に、これからの創作へとつながる新たな始まりでもあります。

舘鼻則孝の絵画制作は、色を選ぶことから始まります。NORITAKA TATEHANA STUDIOには3,000枚を超える「トーンカード」が常備され、作品ごとに色彩の組み合わせを検討するための道具として使われています。本展では、これまで公開されることのなかったトーンカードの一部を初めて展示します。 こうして選ばれた色は、作品のなかでさまざまな表情へと変化していきます。本章に展示する《Descending Painting (Folding Screen)》では、屏風という日本の伝統的な形式の上に、色彩と雷のモチーフが重なり合い、画面全体へと広がっています。
そして本展では、長年にわたり印刷インキを手がけてきたartience株式会社との協働による新作《Abstract Painting (Surplus)》を初公開します。制作に用いられるのは、役目を終えた廃インキです。異なる色や性質を持つインキが混ざり合い、流れ、偶然に生まれる表情を受け入れながら、新たな絵画表現へと展開しています。
一枚の色を選ぶことから、新たな表現が始まる。これまで培ってきた方法を礎としながら、未知の素材や技術と出会い、まだ見ぬ表現へと踏み出していく。
本展の最後にある「色」は、舘鼻のこれまでの創作を振り返ると同時に、これからの創作へとつながる新たな始まりでもあります。

Installation View: Final Chapter

色から始まる / It Begins with Color

Descending Painting (Folding Screen)

2023

アクリル絵具、木、真田紐(正絹)

NT Tone Card

アクリル絵具、紙

Abstract Painting (Surplus)

2026

UVインキ、紙

Installation View: Final Chapter

色から始まる / It Begins with Color

Ink Drawdown

2026

UVインキ、紙